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倭姫命巡幸 15 笠縫邑 弐の巻 [倭姫命御巡幸]

倭姫命巡幸 15 笠縫邑 「笠縫神社」「多神社」「姫皇子神社」

前回はJR桜井線東側の三輪山北西地域周辺でしたが「弐の巻」は近鉄橿原線の笠縫駅より西側で笠縫邑比定地とされている3か所をめぐってみました。
奈良や伊勢をめぐると近鉄線と並走したり横切ったりして馴染み出始めているのですが、10数年前に四日市から大阪難波まで特急を利用した以外は全く利用したことが無いんです。
しかし奈良では路線網が入り乱れて、いざ利用しようとすれば関東人には難しいかもしれません。
ただ近鉄は幼少の頃から2階建て車両が走っていて、いつかは乗りたいと思っている鉄道。
でも最近では関東でもJR線のグリーン車等で乗る機会があって珍しさは薄れてしまっているかもしれません

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檜原神社、穴師坐兵主神社より5~6km程、西へ行った場所に笠縫邑比定地があり、近鉄橿原線笠縫駅より徒歩10圏内の距離と思われます

笠縫邑 弐の巻で巡るのはこちら
 
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最初は上記の一番上にある浄土寺より少し北へ行った所に秦楽寺があり、この境内の一角に笠縫神社がある
 
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比定地 3 笠縫神社
 
まずは秦楽寺に参拝です
 
寺社名 秦楽寺 (じょうらくじ) 真言律宗
ご本尊 千手観音
創 建 647年 (大化3年) 秦河勝 (はたかわかつ)によって創建されたと伝わる
所在地 奈良県磯城郡田原本町秦庄267
駐車場 隣接する公民館に駐車。上の図で水色の枠
訪問日 2017年3月11日 

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こちらは秦楽寺の山門
 
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秦楽寺を創建した秦河勝とは、秦氏と呼ばれる渡来人。
中国が秦と呼ばれた時代の末裔とされ、秦国が漢と名を変え秦氏は朝鮮へと逃れ、第15代応神天皇の頃に商人として日本へと渡ってきたと伝えられている。
ここ田原本町秦庄以外でも京都府太秦や、神奈川県秦野等で地名が残っている。
秦河勝は厩戸皇子(聖徳太子)の側近で金銭面で援助したとも伝わっている
 
この秦楽寺を事前に調べた時、寺名を「はたらくてら」と変換。
休日にも関わらず「働くんかい!」なんて考えちゃったのですが、まだまだ悟りは開けないかもしれません(笑) 
 
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本堂を挟んだ阿字池の先に笠縫神社がある
 
手前右が笠縫神社。奥が春日神社
 
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寺社名 笠縫神社 (かさぬいじんじゃ)
ご祭神 不明
創 建 不明
所在地 秦楽寺境内
 
由緒書きもなくどの時代からあるのかわからず仕舞いでしたわ
 
 
ご祭神が違えば社の向きも違うんです。
参拝をし次の比定地へ
 
笠縫神社(秦楽寺)より南へ少しだけ行った所に姫皇子命神社へ
この周辺には神社が多く、4つもかたまっていました 
 
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比定地 4 姫皇子命神社
 
寺社名 姫皇子命神社 (ひめみこのみことじんじゃ)
ご祭神 姫皇子命 (ひめみこのみこと)
ご創建 不明
所在地 奈良県磯城田原本町多459
駐車場 なし。周辺道路に止めさせていただきました
    (車で境内へ入れそうですが、それはやはりダメでしょう)
訪問日 2017年3月11日
 
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鳥居前に説明看板があり、そちらを読んでみると多坐禰志理都比古神社の摂社で、西暦927年(平安時代中期)には延喜式神明帳に記載されていたとの事。
古墳時代後期の遺跡があることから西暦500年頃からこの地域に鎮座していたと思われる。
また、ご祭神は姫皇子命とされているが、天照大御神の別名「天照大御神の若魂」 との説もあるそうです。
多地域の氏神とされ、この姫皇子命神社から多坐禰志理比都古神社にかけて笠縫邑の比定地として候補に挙げられている
 
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こちらは拝殿。本殿は塀で囲まれていて写真を撮ることは難しかったです
 
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拝殿後ろの杜は、これから向かう多坐禰志理都比古神社です
 
比定地 5 多坐禰志理都比古神社
 
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寺社名 多坐禰志理都比古神社 (おおにますやしりつひこじんじゃ) 
    略して多神社 (おおじんじゃ) とも呼ばれている
ご祭神 第一社 神武天皇  (じんむてんのう)      初代天皇
    第二社 神八井耳命 (かんやいみみのみこと)   神武天皇の皇子
    第三社 神沼河耳命 (かむぬなかはみみのみこと)   神武天皇の皇子で第2代綏靖(すいぜい)天皇
    第四社 姫御神   (ひめがみ)         比売姫とも呼ばれ天照大御神という説もある
        太安万侶  (おおのやすまろ)      7世紀の文人で古事記の編纂者
ご創建 不明 ※姫皇子命神社と同様に古墳時代後期とも伝わっている
所在地 奈良県磯城郡田原本町多宮ノ内569
駐車場 境内の二の鳥居前が駐車場らしい
訪問日 2017年3月11日
 
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創建は不明と書きましたが神武天皇が九州より兄として連れて来た 当芸志耳命 (たぎしみみのみこと) が、弟である神八井耳命 (かんやいみみのみこと) と末の弟である神沼河耳命 (かむぬなかはみみのみこと) の異母(神武天皇の皇后)である伊須気余理比売(いすけよりひめ)を略奪し結婚してしまう。
それに怒った弟等は当芸志耳命を仇として討ち果たす。
だが兄である神八井耳命は怖くて矢を撃てず末弟の神沼河耳命が討ち取った。
神八井耳命はそれを恥じ「兄は矢を射ることも出来なかった。勇敢な末弟に皇位を譲り、兄は弟を助けるため神を祀る」と皇位を末弟に譲った美談が古事記にて記されているが、これはちょっとフィクションぽいですけどね
 
弟を助け神を祀る事になった神八井耳命。。。よってこちらは兄が第2代綏靖天皇を祀った神社?になるんでしょうかねぇ
となると創建は紀元前???
どうなのでしょうかねぇ~
 
神社の名前でもある「多 (おお)」とは、古代皇族で 神八井耳命の末裔ともされている。
社務所はあるのですがご不在のようで閉じられていました 

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本殿を板垣外から写真を撮って拝殿へと戻ると聞いた事がないキャラクターの像がある
 
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「まろちゃん」、、、誰ですかこれ?
百人一首の阿倍仲麻呂?しか浮かばない。。。
何だか納得出来ずも道路を挟んだ小杜神社へと向かってみる
 
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寺社名 小杜神社 (こもりじんじゃ) 古くは「樹森神社」とも呼ばれる
ご祭神 太安万呂 (おおのやすまろ)
ご創建 7世紀頃
所在地 奈良県磯城郡田原本町多宮ノ内272
駐車場 境内手前にあり
訪問日 2017年3月11日
 
あっ!
さきほどの「まろちゃん」は、太安万呂を指すんですね。
そして苗字である「太 (おお)」は、安万呂の時より「多 (おお)」から「太 (おお)」に変わったそうです。
境内はとても広いのですが社は小さく、社務所もありませんでした 
 
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境内より少し南側にも杜があったので行ってみる事に
 
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杜へ行く手前に古事記献上1300年記念と書かれた碑がありましたが、鎖で閉じられているため外からパチリ
 
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農道のような道を挟んで小さな杜の中に皇子神命神社の小さな社がある
 
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寺社名 皇子神命神社 (みこのかみのみことじんじゃ)
ご祭神 皇子神命   (みこのかみのみこと)
ご創建 不明
所在地 奈良県磯城郡田原本町多宮ノ内245
駐車場 なし
訪問日 2017年3月11日
 
姫皇子命神社と同じ説明看板(田原本町観光協会)があり、記載も似たような内容でした
 
笠縫邑比定地を2ヵ所巡りましたが、この地域は古代に大和川が 王子町 王寺町付近で堰き止められ、広大な湿地帯であったと考古学の権威ある方が発表されている。縄文から弥生時代に掛けて奈良湖(大和湖)があり、周囲は池などが多く点在している。
そのような土地に「笠縫邑」を作るんだろうか・・・何とも不思議な感じがする。
湿地帯で湖ような地に神を祀るのだろうか 

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コメント 8

yamatonosuke

田原本にもこんな神社があったんですね。
奈良の人間より詳し過ぎます^_^
近鉄特急は別料金なので滅多に乗りませんが今度乗ってみようかな。
それと本文最後の王子町は王寺町ではないでしょうか?
細かいこと言うようで申し訳ございません(≧∇≦)
by yamatonosuke (2017-04-17 01:00) 

kohtyan

秦楽寺、秦河勝の創建とは、古いですね。
古代の寺社を詳しく、説明していただき、興味深く拝見しました。
いつかは、訪ねてみたいです。
by kohtyan (2017-04-17 21:19) 

kuwachan

記事の内容とは違って申し訳ないのですが、行ってきました(^_^;
もうすこ近いかと思ったら意外と距離があって、事故渋滞にも巻き込まれて大変でした。
度々訪れるわけんさんに尊敬の眼差しです。

by kuwachan (2017-04-18 19:58) 

わけん

yamatonosukeさん
私も調べて知ったもので、それまでは聞いたこともありませんでした。
私の住む町でも同じで、地元の者だから逆に知らないのかもしれませんね。
ご指摘ありがとうございます。
関東の者は「王子」が主流で「王寺」の返還は、ほぼありません。
いやはや、全く気付きませんでした。
by わけん (2017-04-18 22:04) 

わけん

kohtyanさん
聖徳太子の時代となると6世紀。
確かに古い時代になりますね。
実は途中で聖徳太子ゆかりの地もめぐりましたので、そちらもご期待ください。
by わけん (2017-04-18 22:08) 

わけん

kuwachanさん
おぉ、、、行って来たんですね。
そうなんです!伊勢は遠いんです。
直線で行けたなら。。。と、いつも考えちゃいましたわ。
レポ楽しみにしています。
by わけん (2017-04-18 22:10) 

viviane

初夏の東北めぐりは神社仏閣巡りですか?
是非、松島で牡蠣を・・・^^
by viviane (2017-04-25 10:47) 

わけん

vivianeさん
神社仏閣めぐりと言いたいのですが、今回は老夫婦を連れての旅なので
名所旧跡、観光施設、景色を楽しむ旅になりそうです。
我儘を聞き入れなきゃならず、私としては焼き牡蠣食べ放題したいのですが、
食べれるかは微妙です。
by わけん (2017-04-27 06:51) 

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